セツブンソウも当然虫媒花だけど寒い季節に虫は少ない。、同じ時期に咲くフクジュソウはパラボラ形の花で温度を上げて虫の活動を活発にしている。セツブンソウにも晴れた日の日当たりの良い場所にはミツバチがやってくる。虫を呼び集めるように蜜腺を充実させるのだろうか。訪れたミツバチは足で花粉を集めながら蜜腺にある蜜を求めて口吻を伸ばす。頭かくして頭隠さずの典型が生まれる。確かに見ていると止まった花の真ん中にいて蜜腺にあたまを向けてぐるりと一周して飛び去る。
日本ミツバチは、テレビで紹介されたりして知っている人も増えている。西洋ミツバチが導入されて、少し小型の日本ミツバチは戦いに敗れた落ち武者となり山の中に逃げ込んだらしい。蜜や花粉を集めるのは同じだが、蜜は秋の終わりに濃厚な状態のものを6角形の巣ごとつぶして集める。やはり西洋ミツバチの蜂蜜よりも味が濃いという。熊が巣箱をおそうのもうなずける。初めて日本ミツバチを見たのは、セツブンソウに来たときだ。西洋ミツバチの活動していないときにひっそりと蜜集めをしていると理解していた。フクジュソウに来ている姿もいろいろなところで目にしている。最近はいろんなところで両種を一緒に見ているが、花から花へ移動するときに両方が出くわすと必ず日本ミツバチが逃げていた。
西洋ミツバチは秋にスズメバチに襲われると巣ごと全滅すると言われているが、日本ミツバチはスズメバチを見ると翅を震わせ体温を上げて、逆に集団で襲い掛かり熱に弱いスズメバチをやっつけてしまう。これをハチボールというらしい。スズメバチとの付き合いの長い日本ミツバチのかくれた能力だ。